今年は梅雨明けが遅れ8月の声を聞くようになってやっと長かった梅雨があけた。ようやく待ち望んでいた季節の到来ということで、前々からの念願であった薬師岳に登ってきた。以前から誘っていたところ快くリーダーになって下さった尾田さんをはじめ奥野さんや会員外の方(大塚さん、西亀さん)も加わって、計5名の賑やかなパーティとなった。中でも大塚さんは登攀中でもマシンガンの如く(笑)話をされ、本当に我々パーティを賑やかに盛り上げてくれた。
折立からしばらくは見通しのきかない樹林帯の中をひたすら登る。やがて1934mの平に出、ここから草原に変わって視界もきくようになり、これから登る薬師岳が見えてくる。振り返れば満々と水をたたえた有峰湖も見える。この辺りまでくると石畳の道と木道が交互に現れるようになり、このような状態が太郎兵衛平まで続く。
太郎兵衛平から今度は薬師峠を経て薬師平に向かう。途中小さな沢があり水が補給できる。薬師平を経、薬師岳山荘で小休止した後、いよいよ山頂への最後の登りに入る。この辺りまで来ると皆口数が少なくなり、黙々と登るのみとなる。途中オコジョが現れ、その可愛らしい姿が延々と続く上りにあえぐ我々をいやしてくれた。
そうこうして苦しみながらも一同ようやく薬師岳山頂にたどり着いた。山頂からは赤牛岳、黒岳(水晶岳)、野口五郎岳などが一望に見渡せ、さすがは日本百名山の1座、まさに絶景である。これがあるから登山はやめられない。
山頂でしばらく休憩した後我々は下山にかかった。元来た道を引き返すのであるが、特に太郎兵衛平からは下りが延々と続く。それでも視界がきく箇所はまだいいのだが、樹林帯の中に入ってしまうともう後は「忍」の一字である。我々は見通しのきかない道をひたすら下り、午後5時47分登山口に何とかたどり着いた。往復11時間弱、約24kmにも及ぶロングトレッキングであった。
自分的には念願であった薬師岳に登ることができ、体力的にまだ余裕があったため、存分にこの「さすが北アルプス」と言うべき大パノラマを楽しむことができて大満足の山行となった。
富山労山のインデックスへ。
富山労山のホームページへ。