去年10月、錫杖岳左方カンテコースへチャレンジしたが、最終ピッチを残し完全登攀できなかった。今年は最終ピッチまでの完全登攀を目標に、山スキーも終わった春から雑穀谷に足を運び何度となく練習を重ねた。
6月、何度か計画を立てたがあいにく天候が悪く実行できなかった。7月に入りようやく天候が回復しチャンスが来た。5時、大沢野役場を出発し6時30分新穂高温泉到着。装備を確認しながら準備をしているとヘルメットを忘れたことに気付く。
7時50分錫杖沢。去年の10月に来た時は、いくつものテントが設営されていたが今回は一張りも無かった。8時26分左方カンテ取付。
鈴木さんのリードで登攀開始する。立木や木の根っ子が岩に這っていて岩登りらしからぬ所である。
私がリード。少しハングしていて下を見ると怖いが、何回も来ているので要領はわかっている。
鈴木さんリード。前半の核心部は、あぶみを使って突破する。
私がリード。チムニーを登っているといきなり上から人が懸垂で降りてきた。その人は私に気付くと、とっさに岩壁を蹴って宇宙遊泳のように隣の岩壁に移動した。相当岩登りに手馴れたベテランのように感じた。大木のビレー地点まで登ると女性が懸垂下降のため待機していたので先に降りてもらう。
鈴木さんリード。のっぺりしたフェイス(雑穀のCフェイスのような所)を登る。ザイルの長さはまだあったので、続けて6ピッチ目も登り広いテラスにでる。上部まで来ると日陰も無くかなり暑かったが大休止した。(12:00〜12:45)
私がリード。いよいよ前回登れなかった最終ピッチである。チムニー状を強引に登りリッジを目指す。乗越しでてこづり緊張して後ろを見る余裕も無かった。ビレー点に着くと無事に登りきった充実感がわいてきて、景色を見る余裕もでてきた。青空の下、急峻な岩峰、最高の展望が広がっていた。前回断念した分も充分に満喫でき満足の一言に尽きる。14時、下りは登ってきたルートを懸垂で下る。
今回の山行では計画通り最終ピッチまで登ることができ、非常に満足と達成感を得る事ができうれしく思えた。しかし反省点もいくつかあり、もっと楽に登れるように練習が必要だと感じた。
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