予備日を使うこと無く1泊2日で無事帰ってきました。
8月13日、下山予定地のセイモアスキー場奥に車を停め、瀬波にまわって取水口から入渓、最初っからオロロの大歓迎を受ける。河原歩きが延々と続き、嫌になってきた頃ようやく滝か?と思いきや古い崩れかけた石積みの堰堤。
堰堤を二つ越えたら水がやけに冷たく、どうしたのかと思ったらなんと巨大なスノーブリッジ。嘘でしょう、標高800mほどしかないよ、8月の盆だぜ。手前が崩れかけて、登るのは非常にリスキーだったので、右手にあった支沢を使って巻くことにする。少し支沢を登って左手の泥壁を加納さんバイルを使って突破、ザイルフィックスで続いて登る。降り口と定めた地点から河原を見下ろすとザイル届くか微妙な感じ。とにかく30m二本繋いで降ろしてみる。下に届いてなければ、登りかえす覚悟で私が一番手。実際降りてみるとザイルは5mほど余裕がありました。上から見下ろす感じよりも実際の高度は低いようです。良い経験になった。
スノーブリッジを越えたら、漸く滝が出だし沢らしくなってきて、廊下のヘツリや小滝の乗り越し、小さな泳ぎ等、変化にとんでいて面白かったです。
途中、顕著な二又(あとで振り返ると、これが予定の「二又」だったらしい)で右を選び入ってみるが、滝に阻まれ「これは違うだろう」と戻って左に入りなおす等ロスがあったりして、予想よりも少し遅い3時過ぎに宿泊予定地の二又に到着、左の本谷を少し入った辺りで幕営。(実はこれが予定地よりも相当に奥に入っていて、当初予定の「二又」ではなかったらしい)
夜は焚火をして過ごし、沢の幕営を満喫。星空が美しく、夜中に目がさめて空を見あげたら流れ星が幾つも走っていました。(なんたら流星群の名残りらしい)
翌日(8月14日)6時にスタート、果たして今日中に下山できるか?
スタートして行きなり5Mほどの直瀑の歓迎を受ける。左(右岸)の草付きから巻こうかな、と思っていたら加納さんが滝の左手の壁に突撃、突破してしまったのでザイルを出してもらいクリアしました。
更に少し進むと、4段30M滝の歓迎を受ける。遠目にはとても登れそうにない、と思ったが、近づいてみると夫々弱点があり、何とかクリア。最初視界に入ったときは、絶望的かと思ったが、巻くこと無く短時間に突破でき、何となく目処がついた気分になる。
どうやらここ10年ほどの間に大きな山抜け(巨大土砂崩れ)があったらしく、4段滝の上部は美しい廊下帯であったと想像されるが、渓には巨岩がゴロゴロ、その巨岩が砂防堰堤として機能してしまい、土砂が推定3〜5mも滞積し、渓相台無しになってるようです。おかげで、滝上部のかつての核心廊下帯は、なんにもなくクリアしてしまった。楽に行けたから良かったはずなのに、何だかガッカリしてしまう。
またまた二又(あとで思い返すと、これが「上部二又」だったらしい)登場、まず左に偵察で入ると15m〜20mほどの滝に阻まれ、「これは違うだろう」。右に進むと、どうもやっぱりさっきの左が本谷のよう。高度計から推測すると奥の二又には相当ある(実際はその「高度計」が信じられない程大きく狂っていた)が、とにかくあの滝はこせないから、薮をコイで尾根越えで行こう、と言うことになり1時間30分の苦行がはじまる。
難行1時間あまりでどうやら滝は過ぎたらしく、本流に降り立つべく懸垂二本。二本目で岩だなのようなところに降り立ち下をみるとまだまだ高い。そこから下へは支点もない。右手に草付きをトラバースしてみると傾斜のゆるいルンゼがあったので、それで下行できました。所要時間1時間30分、疲れたじゃ。
その後は一気に「源頭間近」と言う雰囲気になったものの、高度計の示す高度はまだまだ先がありそう。でも、もう最源流の雰囲気、行く手が開けたと思ったらぽっかりと登山道に出る。左に進むと、息が上がった頃またまたぽっかりと視界が開け、「奈良岳」の看板。何と奈良岳に12時に着いてしまった。さらに高度計を確認してまたまたビックリ、私のが1440mを指し、加納さんのは1540mを指している。奈良岳は標高1644m!!。うーん、天候の変わり目の高度計は全く当てにならない、とこれまた良い経験でした。
奈良岳からの下山が、とにかく長かった。少し下りたと思ったら登りかえし、また下りたら登りかえし、漸く下りはじめたら滑り落ちてしまうような急坂。3時間もかけて林道に降り立つと、「奈良岳5km」の看板。遠いはずだよ。
予想ではちょいと行くと車が見えると思っていたけど、そんな楽なモノではなく、林道が長い。結局奈良岳頂上から4時間あまりかけてやっと車に到着し、無事下山完了。セイモアスキー場の温泉で汗を流して帰ってきました。疲れたゾ!!でも、やっぱり「未知の沢」は面白い。紅葉の秋なら、再訪しても良いな、オロロもいないし。そのときはきちんとテント持って来て大きな焚火を起こし、鍋でも囲みたいですネ
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