たかが瀬戸倉山、されど瀬戸倉山、山はナメたらあかんと実感した2時間30分だった。
ファミリースキーで極楽坂に来た。家族をスキー場に残し、私は極楽坂クワッドリフトから雷鳥バレーの上部ペアリフトを乗り継いでゴンドラ頂上に立った。10時頃にゴンドラ頂上をスタート、天気は上々雪も素晴らしい。先行者のトレースもあり快調に飛ばして30分程で瀬戸倉山頂上に着く。さて、ずっと気になっていた北尾根を降りる。
地図を見ると、瀬戸倉山北尾根は顕著に北に向かい、984付近の緩斜面帯を境にやや西に方向を変え、そのまま家族旅行村の南側に落ち込んでいる。途中緩斜面帯を挟むものの、ほぼ700M一気に下る中々のものだ。ゴンドラから眺めると顕著な尾根で、多分コースを間違うことなどありえない、と思っていた。
瀬戸倉山頂の反射板を背に下り始める。いきなりヤセ尾根だ。尾根上を直進できず、左山腹を巻く。尾根上に戻るがまたまた下れず、今度は右山腹を巻いたつもりだったが、尾根上に戻らず枝尾根の右側を滑べったらしい。ルンゼ状を緩斜面帯目指して滑べる。雪はサラサラの粉雪で実に気持が良い。間もなく緩斜面帯。
後で気付くが、この緩斜面帯で進む方向を間違えて大失敗をした。984地点の北側の尾根を下ったつもりが、ずっと西側の枝尾根を下ったらしい。じきに尾根は尽きたのでルンゼを滑べる。気持良い!!と思った瞬間、ルンゼが途切れている。すぐ下は滝だ。スキーを脱いで少し登り返し西側に一つ枝尾根を越えて降りるとまた滝だ。今度は枝尾根の東の山腹を落ちるように下り、滝を何とかやり過ごす。更に下るともう尾根は遙か上、諦めて谷筋を下る。地図を確認すると、でっかい堰堤がありそうな感じ。
しばらく行くと案の定大きな堰堤に行く手を阻まれる。これは越えられないかも。右岸を登れば、最初の目論見の尾根に戻れるかも知れないが、左岸しか登れそうにない。それも相当に急なルンゼ状の斜面を登りその上のヤセ尾根にへばり付くしかなさそうだ。フリートレックを担ぎキックステップを刻みつつ登る。カンジキを持って来るんだったと後悔するが、どうしようもない。家族スキーのかたわらに行くんだったら、もっと分ったところにすべきで、初めての場所なら、カンジキくらいは持って行くべきだった。
色々悔やんでもしょうがないので、とにかく登る。さいわい、本当の真冬の深雪ではないので、ツボ足でも何とかなる。クラストする程気温も低いわけではないので、スリップで滑落の心配もさほどではない。とにかく登り974を目指すことにする。1時間以上頑張ったところで、何となく一区切りついた感じの場所に出る。多分もう少しそのまま登り続けたら、スキー場だったんだろう、でもそこまで登る元気もなく、スキー場に出たらそれも面白くないと思い、再び北に向かって滑べり始める。斜面は広く斜度も十分で雪も良く、面白かった。眼の下に杉林が見え、その右手に谷があり橋が架かっている。どうやら家族旅行村の一番奥が、視線の先に現われたようだ。
最後に杉林を滑べり降りると、家族旅行村の一角だ。圧雪された林道を西に辿ると、ゴンドラ乗場が見えてきた。時計は13時になるところだ。たかが瀬戸倉山とナメていた自分が少々恥ずかしい。でも、きちんとコースを取れたら良い尾根だ。次回は下から登ってコースを確認し、良いスキーを楽しみたい。
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