山行報告 大熊山(大熊谷)1625m

山域・山名
早月川流域・大熊山(1625m)
山行目的・形態
晩秋の山、大熊谷から沢登り
山行日
2004年11月14日
メンバー
富樫(L)、奥野(記録・写真)
コースタイム
富樫邸 8:00 → 大熊谷取り付き大堰堤前 8:45 → 大熊山頂上 13:00〜13:15 → 取り付きの大堰堤前 16:45

今度こそ今シーズン最後(来週も行くかもしれん)かな?の沢登り、大熊谷から大熊山(1625m)を目指します。大熊山は、主に残雪期に登られる山。早月川小又橋から取り付いてコット谷を詰め、大熊のコルで稜線に出て、稜線を辿れば大展望の山頂、というのが初夏定番のルンルンコース。でも、無雪期にここを登るなんて“みゃあらくもん”はあんまり聞いたことがありません。そのみゃらくもん二人、目論見どおり山頂から剱の絶嶺を拝むことができるのでしょうか。

富樫邸を8時に出発、馬場島方面に車を走らせ、「大熊谷川橋」で大熊谷右岸の林道に入る。林道は鋪装されており、普通の車でも十分。大堰堤前で車を停めいざ出発。最初のヘアピンから先が薮で覆われている林道を進むと、土砂が滞積して道筋が不明瞭な部分や崩壊してる所を越え、最終堰堤手前で道は薮に消える。薮から堰堤を越えて河原に降り立つとすぐ先が最初の二又。河原は広く明るく、水も思ったより多くて気持が良い。

何にもない谷を快適に進む。ゴーロの石は小振りで、先週の立山川とは全く趣きが違う。それでも浮いている石が多いので、そいつには注意が必要。三又を過ぎると滝が現われ始める。滝と言っても数メートル程度のオチに毛が生えたようなモノ。直登したり小さく巻いたり、楽に越えて行く。奥の二又を越えたら流れが消え、流れた後の小さなガレを登る。振り返ると、早月川流域、対岸の大倉山とその稜線、遠くに富山平野、富山湾、能登半島まで望むことができる。

ガレが途切れたら草付きを笹ヤブ手掛りにヨジ登り、稜線のゲキ薮に達する。稜線の薮は大変な濃さで、ほんの少し進むのにも難儀する。帰り道を失わないよう、赤テープを枝に付けながら進む。30分近く足掻いてようやく目の前が開けたら、そこが山頂だった。山頂は刈り開けてあり、展望が良い。有難いことに新雪の剱岳が姿を現わしてくれた。早乙女から大日は、手に取るように近く見える。何れもうっすらではあるが雪化粧していて、曇り空ながらいい感じだった。

下山は同下行。小さな滝場は、クライムダウンにはちょっとおっかなかったので懸垂二本入れて通過、3時半過ぎには最終堰堤前に下行できた。一息入れて林道を下山、車に帰り着いたら4時半を過ぎていた。

晩秋の沢もアジがあってなかなか良いものです。木々の葉は既に枯れ落ち、谷の奥まで陽が入るので、薮沢でも明るく、水も思った程冷たくありません。普通は登らないような中級のヤブ山を沢シーズン真っ只中なら見向きもしないようなヤブ沢で登るのが、晩秋の沢の面白さなのでしょうか。そうそう、大熊谷はスキーに良さそうです。北西に向いており、雪質もまずまず良いのではないでしょうか。特に稜線直下は斜度もあり木も生えておらずそれなりに広く、雪崩にさえ注意すれば良い滑べりを楽しめると思います。


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