序段の滝上部にて |
核心への連瀑 |
左に同じ |
爆笑の滝 |
1500付近河原 |
1600付近7m滝 |
1600付近7m滝 |
釜谷山頂上にて |
毛勝をバックに |
稜線の草原 |
猫又谷を下る |
佐伯邦夫氏の著書「渾身の山」シリーズ第二弾は釜谷に決まった。
今回は日帰りで行く予定でいたが(今回が山中一泊になれば翌週の米子沢を含め3週連続になることや、翌日のシニア野球の大会に出場するためどうしても日帰りしたかった)、宮崎会長から20年程前に行ったことはあるが日帰りは絶対無理と言われ、一応計画書は一泊二日の予定で提出。でも心の中では絶対日帰りと決めていた。と言うのも安田さんと言う史上最強?(機関車オダ号もタジタジ)のパートナーが一緒なので、何とかなるのではと思っていた。流石に前夜は色々なことを考え寝つかれなかった。
朝4:30、常願寺パーキングに集合したが空は未だ暗い。南又林道の取水口に着いた頃には空も大分明るくなってきた。天気は、予報よりも良くなって来ている様だ。沢の準備をしてあれた林道を20分程歩き、最終11号堰堤を左岸から乗り越して南又谷に入渓。その頃には前夜の不安も忘れており目標に向かって進むのみ。程なく釜谷の出合いに到着し、いよいよ釜谷の遡行である。
入り口は少し狭い感じはしたが、じきに谷は広くなり平坦な河原状の歩きが続く。歩き出して1時間30分、お目当ての滝が現われ序段の滝から核心部の滝へと連瀑帯がずっと見える。序段の滝2段はフリクションを効かせてなんなく直登したが、核心の滝はそう簡単には行かないことが一目で判る。核心部最初の滝(爆笑の滝)は直登は避け、一旦右側の大きい岩盤状に上がらなくてはならないが、ちょっと手掛りが無さそう。これが無理なら、更に右側のルンゼから大高巻きしなくてはならないが、それには多大な時間と労力を費やしてしまう。よく見るとハーケンが2枚打ってあるところを見つけ、安田さん持参のアブミを使用して登ることが出来た。岩盤に乗り上げると、右側の垂直に近い壁を薮や小枝を掴み、ほとんど腕の力だけで強引に身体を引き上げる。本当にこんなところを登って大丈夫なのだろうかと不安であったが、その後数箇所フィックスロープが残置してありホッとした。一旦左下の大岩棚に降りれば30m大滝の全容が見られると思ったが、この先のことを考えると決心がつかなかった。今から思えば、そんなに時間はかからなかったと思うので、少し心残りである。傾斜は少し緩んだが、濃密な薮との格闘はまだ続く。ようやく一つの尾根を越えると向こう側に広い谷が見えて、なんなく河原状に降り立つことが出来た。何とか核心部の滝は越えたようだ。
後は安田さんのGPSや地図を頼りに先を目指す。上部二又(1900m)を過ぎると水量も少くなり、源流が近いことを悟る。小さい滝を三つばかり越えると谷は狭い溝となり、薮を避けるように右の尾根に取っ付いたが、樹林で見通しが効かない(薮もひどい)。少し進んでから左下の草原地帯をトラバースした方が、少し滑べり易いが薮漕ぎよりは数段マシである。小ピークを二つ程越えると僅かな踏み跡があり、何時の間にか毛勝の稜線に出たようだ。
踏み跡を辿ると一登りで釜谷山頂上に到着、時刻は13:40。これで何とか明るいうちに帰れそうだ。雲が多く展望は望めないと思い、すぐに下山にかかろうとしたが徐々に視界は良くなり、猫股山や毛勝山、更には剱の一部も。結局山頂に50分も長居して下山開始。猫又山とのコルまでの稜線は踏み跡も僅かで判りにくいが、山稜直下の草原地帯を下れば(ここで何度も尻餅をついた)自然にコルに到着。コルからの急斜面を枝に掴まりながら下行するが、草付きの斜面もあり非常に滑べり易い(但し滑落するような所ではありません)。地図上1849m地点でようやく水流が現われ一休み。後は平凡な河原(滝は一切ナシ)を根気よく下るのみだが、暑いと思えば水遊びをしながら下れば良いのでその点は助かる。やっと二又に着いたがまだまだ先は長い。春の山スキーではアッと言う間だったが、今は自分の足で下るしかない。
そして、歩き始めてから約12時間、ようやく最終堰堤に到着。満面の笑みを浮かべながら安田さんとお互いの健闘を讃え合った。
山行を終えて感じたこと
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