大明神山(第二大明神尾根から)

地図
山域・山名
片貝流域、大明神山
山行形態・ギア
山スキー・山板、兼用靴
山行日
2004年3月28日
メンバー
尾田(L、記)、鈴木
コースタイム
片貝第二発電所発(5:55)〜南又谷出合(6:25)〜第二尾根末端取付き(7:35)〜地図上1292m(10:30)〜同1853m(12:55)〜大明神山頂上(13:50〜14:45)〜林道(16:25)〜片貝第二発電所着(17:30)
 
中間部より濁谷山
(中央)大平山(右)
1853Mピーク(右)
ニセピーク(左)
中間部より大倉山 1853Mよりニセピーク
東芦見尾根と大日岳 大明神山 毛勝南峰
毛勝本峰(左奥)
剱岳を望む(1) 剱岳を望む(2)
剱岳を望む(3) 毛勝三山をバックに
頂上を振り返る

大明神山、山の名前を聞いただけでもしり込みするような厳つい山。

5月の残雪期に宗次郎谷や釜谷から登られている記録はあるが、積雪期にスキーを利用して登ったと言う記録は、見たことも聞いたこともない。地図を見ていると、一般的な、片貝第四発電所から延びている大明神尾根は、痩せ尾根、アップダウン、屈曲した尾根などの問題があり、スキーには向いていないようだ。その点、大明神山の西側に派生している尾根(第二大明神尾根)は、下部の急斜面を除いて中間部から上は広くなだらかで山スキーには良いんじゃないかと思った。その場合問題になるのはやはり、尾根に取り付くまでのアプローチと下部の急斜面を如何に素早く体力を消耗させずに登り切るか、という点だ。一週間前に尾根の取り付きまで下見をしているが、下部の雪融けが早そうなので、雪が着いているうちにと思い予定を早めた。幸い当日は絶好の天候に恵まれ、お天道様も私達の山行に後押しをしてくれた。

片貝第二発電所にはゲート(雪が高く積みあげられていた)が掛かっていたので手前に車を置き、そこからMTBにまたがり、除雪してある林道を南又谷出合まで約4km走らせる。出合辺りで積雪は1m弱。

分岐から南又林道をシール登行し、約1時間で尾根の末端に到着するが、何処から登っても傾斜はきつそうだ。最初左端の尾根に取り付いたが、思ったより痩せており雪が着いていない。これでは大変と思い、少し下って杉林を右にトラバースしながら急斜面を登って行くが、高度感が増してきたのでスキーを諦めアイゼン歩行に切り替える。標高差にして150m程登り切ると(標高約1000m)やっと広い緩やかな尾根に出た。ここからは高みを目指して気持の良い尾根歩きだ。尾根上には立山杉の巨木が点在しており、まるで太古に戻ったような感じである。

地図上1292m(このピークは少しアップダウンがあるので右から巻いた)まで上がると、背後に東芦見尾根末端の山々(大平山、濁谷山、大倉山など)が見渡せる。標高1700m辺りで50m程のやや急な斜面が現われ、10cm位の新雪も腐りだしたのでシール登行しづらい。両側は切れ落ちているので、ここでもスキーを担いだ。地図上1853mに達すると木々は無く展望も一気に広がり、傾斜もぐっと緩やかになる。毛勝三山をを見ながらの稜線漫歩の始まりである。高度を上げるにつれ東芦見尾根の上に剱の頭が浮かびあがってきた。1853mから見えたピークが頂上かと思ったが、本峰までまだニセピークが2つ程あった。

やっとのことで大明神山山頂に到着したが、北側は大きく雪庇が張り出している様(多分20m位はあったと思うが、大明神尾根も確認できず)なので、南側の安全なところまで降りて展望を楽しむ。陽射しが非常に強く風もないので汗ばむ程の陽気だ。まだまだこの頂きでのんびりしたいが、そうも言ってられない。シールを剥がしてさあ滑降だ。鈴木さんは「ブラボー、ジャパニーズマウンテン!!」と何度も叫んでいた。この景観を見ればその叫びも頷けます。

下りは登り返しがいっさい無く、下部に急斜面もしっかり雪が着いていたので、問題無く滑べり降りることができた。南又谷出合まで来れば、あとはデポしてあったMTBにまたがり、一回も漕ぐこと無くあっと言う間に片貝第二発電所に到着。

山行を終えて… この尾根は予想していた通り、いや予想以上に山スキーにぴったりのコースであった。下部の急斜面を除いては、広い尾根でアップダウンは一切無く、上部の展望は素晴らしい稜線歩きと滑降が期待できる。山頂へのアッタクの時期は、第二発電所から第四発電所の林道が除雪してある直後(3月下旬〜4月上旬)が最適期だと思う。その時期なら下部の急斜面にも雪が着いている。その場合、MTBがあれば大変楽だ。林道はさほど傾斜もなく、帰りのことを考えれば引っ張ってでも良いから南又谷出合までMTBを持って行くべきでしょう。快適な斜面を気持ちよく滑降しているときに、帰りの小一時間の林道歩きのことを考えなくても良いので、精神的にも非常に楽だ。来年も是非仲間を連れてチャレンジしたいと思った。もちろん、晴天の日を選んで行くのは言うまでもありません。


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