遡行報告   薬師沢左俣

薬師沢左俣
流域・渓谷
黒部源流・薬師沢左俣
遡行日
2003年10月4日(土)
メンバー
中村、坂川
コースタイム
6:50折立 → 9:30太郎小屋 → 10:00薬師峠 → 11:20太郎沢出合 → 11:35薬師沢左俣出合(三俣)→ 14:50稜線 → 15:55太郎小屋 → 18:05折立

沢としては全国クラスである赤木沢のすぐ隣の薬師沢左俣は雰囲気も赤木沢に近いものがあり、あまり一泊山行できない自分にとってはもってこいということで行くことにしました。

集合場所のアルペン村駐車場はまだ5時半だというのにひっきり無しにアルペンルートへ向かうと思われる車が走ってゆきます。そしてアルペン村を出発。有峰有料道路のゲートが開く6時の10分ほど前にゲートに到着。既に車は10台ほど並んでいました。

折立に着いて仕度をして6時50分登山開始。しんどい樹林帯を登り徐々に視界が開けてきます。今日の降水確率は10%だったので秋晴れになると信じていましたがどうもすっきりしない様子。そして9時30分に太郎到着してさらに薬師峠へ進みます。そこへ薬師岳御来光お目当ての登山者5人程が下りてきましたが「頂上はガスで視界が利かなかった。でもカールは見られた。」とのこと。

薬師沢最源流を下る

峠で沢装備に切り替えテント場の脇に密かにある道を下って沢に降り立ち下りだします。子供から風邪をもらったという奥野さんは調子がいまひとつの様子。太郎沢出合で「具合がよくないのでこのまま太郎から折立へ戻る」とのこと。そのため自分と坂川さんはそのまま薬師沢左俣へ行くことになり二つに分かれて行動することになりました。

あとは時間との勝負です。左俣は出合からしばらくは普通の河原歩き。15分ほど入るといい感じの滝が出だします。滝は合計5つほど。ほとんどは巻きますが、大きな高巻きはなく、ザイルを使うことはありませんでした。

薬師沢左俣 薬師沢左俣 薬師沢左俣

通常沢の最後はきつい急登が待っていますが、薬師沢左俣の場合徐々に水量が減りだし、視界が開けて最後は草原になりました。ロシアの大平原を歩いているような不思議な感覚です。ただ、あまり風景に浸っている時間はなく、風に吹き付けられる稜線に出る前に手早く沢から縦走へと装備を切り替え稜線を目指します。稜線上では雨と雪に降られますが、この時点では幸運なことになんとか視界があり、稜線へのルートに目処をつけて稜線を目指すことができました。

稜線に出てからはひたすら黙々と太郎を目指して折立を目指します。太郎を越えて本格的な雪が降り出します。徐々に暗くなりだしたので急がないといけませんが、スリップしないように神経を使い早足で下ります。雨具に着替え、更に下ると雪は雨になり、樹林帯に入ってしばらくしてとうとう真っ暗となり、ヘッドライトをつけてただただ黙々と下り、結局予定より5分遅れの6時5分に折立に到着。

薬師沢左俣 薬師沢左俣 赤木平 赤木平

今回はなかなかハードな山行でした。ただ、今まで考えたこともなかった[日帰り薬師岳]や[日帰り黒部五郎]ができないこともないなということがわかりました。それにしても疲れた。


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