遡行報告   鍋増谷

鍋増谷奥ノ大滝(坊主滝?)
流域・渓の名前
早月川・鍋増谷
目的は
坊主滝を訪ねる
遡行日
2003年6月22日
メンバー
富樫(真のリーダー)、坂川(炎のハードトレッカー)、尾田(機関車の異名を持つ)、福田(技術監督)、中村(ギア満載)、奥野(一番のヘタレ、名ばかりのリーダー・記録書き係)
コースタイム
7:10役場発 → 7:50堰堤発 → 8:00最初の達磨のような岩のある滝 → 9:05大岩のある二俣 → 9:50左俣ターンする → 10:10大岩のある二俣 → 10:35立岩のある滝 → 11:00奥ノ大滝手前 右の草付きをよじ登る → 12:30草付きからの撤退 → 13:50〜14:00滝直下 → 14:30昼食後発 → 14:45立岩のある滝 → 15:10大岩のある二俣 → 16:10達磨のような岩のある滝 → 16:20堰堤

さて今回は、佐伯邦夫著「会心の山」に出てくる鍋増谷の大滝を訪ねることにしよう。私は、これこそ「坊主滝」だと思い込んでいるが、本当かどうかは判らない。私は、これだけ迫力があるなら、きっとこれが「坊主滝」だと思うが、「違うよ、釣り人がアタリをさぐっていた釜のあるオチこそが坊主滝だ。」って話しもある。まぁ、滝の名前はともかく、梅雨の晴れ間に仲間と辿る谷は「万緑の候」にふさわしく、いっぱいの緑のなか、楽しい遡行だった。

7:50 堰堤取り付き 670M

緑深き鍋増谷

伊折橋のたもと、早月川右岸から林道に入る。大きく左にヘアピンするところで鍋増谷右岸へ続く林道へ入る。地図上600Mの大きな堰堤あたりで林道は途切れるかな、と思ったが、もうすこし先まで工事は進んでいて670Mの二俣まで車が入った。二俣手前には大きな堰堤ができそうで、この先、いつまで渓が渓らしくいられるか心配。

流れは穏やかで、遡行に何の問題もない。河床はコケでヌルヌル、良く滑べる。しばらく進むと、釣り人がアタリを探っているカマを持ったオチに出た。二、三言葉を交わし、左岸(右側)から高巻きにかかる。5分程でアッケなく巻いて流れに降り、遡行続ける。

9:05 大岩のある二俣 830M

右俣 大岩の二俣

相変わらずコケでヌルヌルの流れを進むと大岩のある顕著な二俣に出た。これが、水線のある二つの流れが合流している目指す二俣らしいが、高度計から推測するとちょっと違うらしい(帰ってからじっくり地図を読んでみると、どうやら等高線を50m読み違えていたらしい)、と勘違いする。底抜け脱線沢登りの開始である。

合議の結果、もうすこし直進してみることにする。最初の脱線開始。直進するとじきに、たった昨日雪が消えたばっかり、と言った感じになる。さらに10M弱の直瀑に行きあたる。直登はちょっと無理、これが目指す滝か、とも思うがちょっとショボい。左(右岸)から高巻いてみる。草付きの急傾斜を強引に登り、トラバッてみるが、流れに戻るのが大変そうだ。どうにも危なそうなので大岩のある二俣まで引き返すことにする。

10:35 立岩のある滝 880M

立岩のある滝 立岩のある滝

二俣で少し休んでから、右俣にはいる。ちょっと渓らしくなる。しばらく進むと、特徴的な立岩で流れが二分されていて、向かって右が5M程の直瀑、左が階段状の滝と言ったところに出る。真のリーダー富樫さんは、左側の階段状滝の水流境界あたりを登れと指示。意外にアッケなく登って遡行を続ける。

流れを二分する立岩が、ちょうど坊さんが笠をかぶってるように見えるから、これが坊主滝?それにしては、ちょっとショボいぜ。

11:00 奥ノ大滝手前、草付きをヨジ登る 950M

草付きを高巻けない…

少し進むと、大きな滝が見えてきた。間違いないぜ、あれこそ「会心の山」“芦見谷から鍋増谷”に出てきた大滝だ。私は、これこそ坊主滝と思うが如何。滝の手前で右側(左岸)に大きな雪庇のカケラが残っていて今にも落ちそう。更にその向うには、崩壊したスノーブリッジの残骸が残り、滝の手前は大きなスノーブリッジがそのまま残っている。これは、危険だ、高巻こう、とまたまた脱線。

技術監督・福田さんにトップをお願いする。福田さんが、確保できる地点までザイルを延ばしたら、ゴボウで続くことにする。私が確保するが、何か進む度に落石が襲って来てなかなか怖い。30M近く進んでザイルいっぱい、ちょっと弱々しいが立木にビレーして二人目三人目と続く。しかし、立木にビレーした先も相当厳しく落石も頻発するので四人登ったところで諦めて降りることにする。おー、まさに底抜け脱線沢登りだ。時間ロス1時間30分。

仕方がないので、雪の下を行くことにする。行ってみれば何のことはない、らくしょージャン。いったい私等は、あの危ない草付きで何をしていたんだ!!

13:50 奥ノ大滝(これこそ坊主滝?) 1000M

奥ノ大滝(坊主滝?) 集合写真

スノーブリッジの下は、さすがに一人ずつ通過する。距離20M程?ブリッジの下を抜けたら、まさに滝直下だ。水量も十分で迫力もまずまず、脱線しながらも途中で諦めずここまで来て良かった。

滝直下での撮影会を終えたら、またブリッジの下を潜って戻る。最初に滝を遠望したあたりで遅めの昼食、昼食後に滝バックに記念写真を撮り下山することにした。

16:20 堰堤着

すんなり来ていたら、4時間かからず滝壷に達する。道がわかっていれば、ルンルンの渓歩きコース、初心者にも ok だ。でも、ルートが判らないからこそ面白かった、今日の底抜け脱線沢登り。初めての沢は、これだから面白い。愉快な一日でした。


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