山行報告   有峰 東山(1788.7m)

概念図
山域・山名
有峰 東山(1788.7m)
山行目的
秋の山
山行日
2003年10月18日
記録者
富樫

一つの山らしい部分を成している所でも、地図に山名が記載されていないことがある。この有峰この東の領域もその一つである。この山の湖側はなだらかに裾野をひいているが、裏側は真川の清流へと急な斜面を落している。顕著なピークはなく、ダムサイトから見ても丘陵のように見える。今日登ったのは、このほぼ中央に位置する三角点のピークである。点名は「真川」となっている。

6:00 起床、わさび茶漬けを食べる。その間に剱から日が出る。とてもまぶしい。コンビニで昼用のサラダ巻きやジュースを買って、7:15 上市を出る。7:45 有峰林道・亀谷ゲート。通行料は1800円で、ちと高い。和田川に入るとすぐに紅葉になっている。以前とくらべると二車線のトンネルがいくつもできていた。道は良くなったが、崖っぷちのうねうね道を谷あいの色づきを見ながら走っていた頃が懐かしい。有峰は秘境であった、と思っているうちに早々に有峰ダムに着いてしまった。折立へ行く道沿いの紅葉が、赤、黄、薄緑など今一番という鮮やかさであった。折立からは、真川右岸沿いの細い林道を入れるところまで行こう、と車を進めたが、次第に荒れ道になって来たので 8:35 蠎蛇(ウワバミ)谷(三つめの橋、折立から1.6Km)手前の空き地に停めた。

5分で真川本流に立つ。ひろびろとした静かな良いところだ。遡行を始める。深みの水はうすグリーン色となっている。岩は白い。9:40 S時の狭まった箇所を抜けると目的の出合いに着く。すぐ上のハゲ谷出合いまで行って位置を確認する。9:55 出合い出発。入り口からは何の変哲もない枝沢のように見えたが、100mも進むと河床は滑状に変わる。沢はまっすぐ峠に向かい、そこから左に折れ曲がり、再びまっすぐに山頂へと突き上げる。等高線の傾斜も緩く、解りやすい沢である。地形図からすると、峠までの間に両側からそれぞれ4本程枝沢が入るはずだが、最後の左前方から入る枝沢だけが顕著であり、あとのは確認できなかった。3mほどの小さな滝と、釜、細い瀞などが連続する。その他はずっと岩の上を水が流れている。11:00 峠下の曲がり角にさしかかる。この先もずっと同様の感じであるが水量は徐々に少なくなる。枝沢の流れもしっかりしているので、地形図をしっかりと見ていれば迷うことはない。針葉樹が目立って来る。しかし、広葉樹も豊かで、秋空の中を数多くの紅葉がハラハラと落ちて来る。1650m付近で12mの岩場が前方をさえぎるが、左の薮を巻いて進んだ。岩床は沢が消えるまで続いた。

沢を抜け、針葉樹や背丈ほどのササの中を赤布を付ながら(絶対必要!)やや右方にかき分け進むと、ピークらしきところに出た。さらに10分程うろうろして 12:25 ようやく三角点を見つけることができた。錆びついたポカリスエットの空き缶が転がっていた。樹の間から鉢伏山や反射板の山、薬師への草原や白い峰が少しばかり見えた。針葉樹にさえぎられ展望は良くない。

12:40 発。下りも滑床は歩きやすく快適である。14:30 真川出合い、15:40 車のところ。折立によって、祐延経由で水須へ下って来た。時間があれば大多和峠や東谷の方を回って帰りたいところだ。

【注意】この辺り一帯は自然が豊かなので熊が多いといわれている。有峰湖は観光化されつつあるが、湖の東側は原始のままで残して欲しい。動植物の採集は御法度、見て楽しむだけ。真川の林道は、両側から草木が出ていて車にキズが付く。(さすが我パジェロは鉄板も厚く頑丈、山屋向きの車だ。)薮の中は見通しが悪いので、必ず赤布を枝に付けて進むこと。


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