山行報告   餓鬼岳(募集下見)

山域・山名
餓鬼岳〜東沢〜中房温泉
山行目的
募集山行下見
山行期間
2002年7月6日〜7日
参加メンバー
松井、中村、奥野(L、記)
コースタイム
● 7月6日(土)曇のち一時晴れ夕方俄雨
 滑川インター 5:07 = 中房温泉経由約203Km = 餓鬼岳登山口 9:00-9:15 → 紅葉ノ滝 10:00 → 魚止ノ滝 10:35 → 最後の水場(1500)11:05 → 大凪山 13:15 → 餓鬼岳小屋 16:00(小屋付近の指定地で幕営)
● 7月7日(日) 霧・雨 風強し
 餓鬼岳小屋 6:50 → 中沢岳鞍部 8:25 → 剣ズリ → 東沢岳 9:45 → 東沢乗越 10:15 → 西大ホラ沢出合 11:00 → 中房温泉 13:10
二万五千分の一地形図
大町南部、槍ヶ岳、烏帽子岳

第一日目 白沢堰堤から餓鬼岳小屋まで

餓鬼岳の登山口は、安曇野アートラインを大町市清水原で右折、林道終点の白沢三又、富山から乗用車で約3時間程かかる。道は、歩き始めてすぐに白沢沿いを行くようになる。整備が行き届いているものの、沢沿いのトラバース道は、滑べりやすいので注意が必要。沢は、なかなかの美渓で道がついているのがオシイと思ってしまう程。紅葉の時期はまた素晴らしいだろう。

沢沿いを小一時間ほどで紅葉の滝、更に30分程行くと、大きな魚止の滝。落差30Mほどか。この滝は、逆層のゴルジュ状の支沢を使って大きく高巻し乗り越える。なかなかの迫力。滝を巻いたら再び沢沿いのトラバースで、ときおり河原歩きを交え一汗かくと1500M地点の最後の水場。ここまで、標高差500Mあまりだが、そのわりには疲れる。滝の乗り越えやトラバースで大小いくつものアップダウンがあるからだと思う。本番では、メンバーの体力がこの後の急登に耐えられるよう、ペース配分に十分注意が必要。

水場から大凪山への登りは、標高差ほぼ500M、標高1800M付近で振り返ると安曇野が美しく眼下に広がる。苦しい登りの一服の清涼剤。途中とりたてて危険箇所はないが、標高差もありまたかなり急な部分もあるので、焦らずゆっくり登る。ようやく登りついた大凪山は樹林のなかで顕著なピークではない。視界のない樹林の尾根の一部、と言ったところか、体力的にここで「良い感じ」になってしまうが、この後未だ500Mほど登らなければならない。

しばらく稜線を辿った後の最後の登り「百曲がり」は、標高差約300M、やはり焦らず着実に高度を稼ぐ。くたびれて登るの嫌になる頃、ようやく餓鬼岳小屋が間近に見える。小屋の裏手は、五分程で餓鬼岳山頂。日頃見慣れている北アルプス北部とは趣の違う景色が広がる。顕著なブロッケンを観察することができて、大満足のピークだった。

小屋前に戻り、幕営の手続きと募集山行の話をする。小屋は大部屋一つの昔ながらの作り。小屋番の人達は、大勢の登山客を心待ちにしているようだ。私達が幕営した日の小屋泊り客は3名、いくら梅雨時期とは言え、静かです。

第二日目
餓鬼岳小屋から剣ズリを経て東沢乗越へ、東沢沿いを中房温泉に下山

朝、出発前に餓鬼岳に登り、唐沢岳方面に少し進んでみる。岩稜の道は、なかなか面白そうだ。ただ、唐沢まで行ってしまうとちょっと遠すぎるので、本番では餓鬼のコブまで行って、稜線のコマクサを楽しみたいと思う。

途中、雨が降ってきたので餓鬼のコブまでも行かず引き返す。カッパを着て出発。昨夜は一晩中強風が吹いていて、夜程ではないが風は多少ある。東沢岳までの岩稜帯、剣ズリは、晴れていれば、遠くに槍ヶ岳、野口五郎や烏帽子岳等ルンルンのパノラマコースのようだ。残念ながら、今回は展望はほとんど無し。岩場は、要所に鎖・梯子があって、ここでもコース整備の素晴らしさを実感する。

剣ズリの岩場を過ぎ、東沢岳から滑べりやすい樹林の道を乗越まで下ると、いよいよ東沢登山道の中房温泉への下り。鞍部から最初の標高差100Mあまりは、ツヅラ折れの急な下り、やがて樹林の中を一気に高度を落とすと西大ホラ沢出合い。ここは、燕岳側の山肌が大きく崩壊していて、ここからしばらくは、河原歩きで、数回流れを渡り、再び樹林の中に。流れクルブシ程度で、深くても膝下なので渡渉に問題は無い。水の状態にもよるが、それでも靴は濡れると思う。

やがて、左岸から大きな高巻道に入る。流れは、この先ゴルジュと滝場?になるようだ。水線どおしはどうなってるか、ちょっとだけ行ってみるが、腰上の流れと滝の落ち口(堰堤かも?)らしき場所が見え、やはり行くためにはちゃんとした沢装備が必要。仕方無く戻って高巻道を行く。再び河原に降り立つと東餓鬼岳から下って来る支沢(マラオ沢?)に出合う。「美味しい水」の看板あり。

この支谷を巻くことになるが、トラバースに一箇所嫌らしい部分がある。十分注意して通過する必要あり。このコースで一番嫌らしい部分を過ぎると、あとは中房温泉の風呂を思い描きながら、最後の下り。


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