写真はここ
最初に、今回の山行記録は当初の計画書と異なります。2日の降雪により、警備隊・山小屋の情報・山行メンバーとの議論の末、大窓滑走は中止にし立山川滑走に変更を行いました。
剱岳を眺め、スキーで駆け下りる。なんて、贅沢な遊びだと思う。ましてや富山市から見える剱の北方面に大きく広がる鞍部、大窓の滑走を想像しただけで色んな想いが込上げてくる。
立山駅は天候不順の為、観光客が昨年より少なかった。おかげで予定より早く室堂に着く事ができた。室堂山荘から雷鳥沢に滑走するルートを選択、10時には雷鳥坂に取り付いた。毎年の事だが雷鳥坂は既に立派なトレースがあり、また剱沢に向かう人の列が続くのでスキーを担いで登る。
御前小屋で、警備隊から剱周辺の情報を聞くが、大窓まで入山したグループはいないとの事。13時頃には、視界が悪くなってきた。御前小屋から剱沢までスキー滑走になるのだが、視界不良の為、慎重にまとまって滑走する。雪質は重い新雪で、板が雪に捕まりやすい。
剱沢小屋に到着後、小屋主人 佐伯友邦氏からも情報を聞くが、あまり良くない。剱沢周辺でも、小規模な雪崩が連発している。明日のルートを打合せした結果は、大日岳からコット谷系由に変更。この時点では、立山川系由も雪崩の心配があった。明日の晴天を期待し床に入った。
早朝、小屋の窓からは剱岳が大きく見える。積雪は昨年より少なそうだが、別山尾根の登山道にも雪崩跡が残っていた。小屋の前で剱岳をバックに写真を撮り、御前小屋まで登り返す。大窓まで行けないと言う後悔と、無理をしなくて良かったと言う安堵感と入り混じっていた。
御前小屋から稜線上は、勾配も厳しいのでスキーを背負って少し下る。雷鳥坂の途中から、スキーでの滑走が始まる。北斜面の為、朝一番はアイスバーン状態。スケートリンクを駆け降りる感じがした。新室堂乗越を過ぎた辺りから、雪質がザラメ状に変化、快適な滑りが出来た。
カガミ谷出合まで行くと、スキーツアー団体が立山川を滑走するとの事で、便乗することにした。ビーコン装着後、滑走順番を決め(安田→富樫→平井→宮崎→藤田)急斜面を攻める。雪崩跡の滑走・雪質の変化・波状に変化した雪などゲレンデとは違う大自然のスケールの大きさに感激にひたりながらの滑走する。
標高差1700mのダウンヒルの始まりは、斜度が厳しいので上級者向けである。カガミ谷と中ノ又谷の出合にてようやく、傾斜が緩くなる。東大谷や毛勝谷を右手に見た後に、いよいよ核心部のゴルジュ帯に突入である。両側からデブリが谷を埋め、石や枝など滑走ルートに落ちている。また、スナクボ岩屋近辺になると落石やスノーブリッジの滑走にも注意が必要である。(今回は、心配なかったが時期が遅いと問題あり)しばらくの距離で取水口に到着。取水口下部にて大休憩をとる。滑走上部を見上げると、別山乗越が見える。つい先程まで、あの場所に居たが既に馬場島付近まで下山しているとは、スキー滑走の移動力に驚きである。取水口下部からは、しばらくすると林道が始まる。今回は、馬場島からすぐの木製の橋まで滑走を楽しみ、家族連れの多い馬場島駐車場まで歩いた。
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