山行報告   白高地沢遡行〜雪倉鉱山道

白高地沢 白高地沢
白高地沢 白高地沢
白高地沢 白高地沢
白高地沢 白高地沢
白高地沢 白高地沢
山域・山名
白高地沢溯上〜雪倉岳〜旧鉱山道〜蓮華温泉
山高目的
沢登り・縦走
山行年月日
2001年9月23日〜24日
メンバ
富樫正弘(L)、安田宗人、奥野茂和(記)
コースタイム
23日 白高地沢遡行〜朝日・赤男コル直下で幕営
立山インター 6:00 → 蓮華温泉 8:00〜8:20 → 兵馬平 8:50 → 瀬戸川 9:20 → 白高地沢 10:55 → 三又 12:55 → コル(直下)15:55
24日 幕営地〜朝日岳ピストン(富樫、安田)〜赤男山〜雪倉岳〜鉢ヶ岳(富樫)〜鉱山道を蓮華温泉に至る
起床 5:00 → 発 6:25 → 稜線 6:30 → 朝日岳 7:35〜7:50 → コル 8:20〜8:40 → 赤男山直下(燕岩) 9:05 → 赤男山 9:50〜10:05 → 燕岩 10:30〜10:40 → 雪倉岳 13:00 → 鉢ヶ岳基部 13:40 → 鉢ヶ岳 14:00 → 鉢ヶ岳基部 14:30 → 鉱山道分岐 15:20 → 水場 15:30 → 神の田 16:40 → 瀬戸川渡渉点 18:00 → 蓮華温泉 19:00

沢登りを体験してからは、地図を見るたびに「登れそうな、辿れそうな流れはないかな」と思うようになった。朝日岳を蓮華温泉から登る登山道は、白高地沢の架設橋が流されると、通行注意となると言うのは、かねてから聞いていたが、その白高地沢を遡行したと言う記録は読んだことがない。地図を眺めてみると、水線が消えてからのルート探しが難しそうだが、困難な滝場はなさそうで、当会の沢のベテラン富樫さんにリーダーをお願いし、辿る機会を得た。遡行の翌日は、朝日岳から雪倉岳を縦走し鉱山道を蓮華温泉に下山すると言う、なかなか欲張りな日程である。

23日午前6時、立山インターを蓮華温泉に無かって出発する。天気は上々、予報では明日も良い天気らしい。8時すぎに蓮華温泉着、温泉手前で車前を真っ黒のぬいぐるみが横切り驚いた。なんと、子熊である。

23日 蓮華温泉より白高地沢を遡行、コル直下で幕営

8時20分、身支度を整えて出発、瀬戸川を鉄橋で渡り白高地沢の仮橋を目指し、樹林の中を進む。紅葉には未だ早いが、緑はもはや盛りを過ぎ、そこはかとなく秋の気配。白高地沢渡河点は、広い荒涼とした河原だった。ここで沢装備を装着し遡行開始。しばらくだだっ広い河原を行くが、じきに川幅は狭まり、左岸は岸壁、巨岩が流れを塞ぎ、右岸を高巻く。グズグズの水を含んだ黒い土砂の斜面を登り、少し薮を潜ると巨岩の上に出られた。

このあとは、大きなゴーロの流れを遡る。幕営装備を担いでゴーロを越えるのは、思った以上に体力が必要だった。身体をぐっと持ち上げる時、後ろへ引っ張られるようでバランスが悪く、空身で登った薬師沢のようには行かなかった。ただ、大きな危険箇所は無く、空は抜けるように青く、流れは澄みきって気持の良い遡行だった。やがて変形三又、最初右で次が左。結局真中を行ったのかな?地図では顕著に現れているわけではないが、わずかな等高線のくぼみと周囲の景色から進む方向をドンピシャリと定めるリーダーの読図と勘には恐れ入りました。

標高1700mから1800mにかけて広がる高原は、朝日岳の山懐に抱かれるような別天地。これがもしかすると「白高地」なのか。やがて傾斜は増し流れは小さくなって、もうすぐそこが朝日〜赤男のコル。平坦な場所を探して今夜の幕営地とする。

24日 コルから稜線、朝日岳ピストン〜赤男〜雪倉〜鉢ヶ岳〜鉱山道を蓮華温泉へ

今日は、登山道(一部道を外れてピークを踏む)を行く。最初の仕事は、薮を濃いで道へ出ること。5分程薮を泳いで稜線の道へ出ると、池塘は氷結して、霜柱も立っていた。富樫さんと安田さんは朝日岳ピストン、私は昨日の疲れが抜け切れていなかったので、二人を待っていた。朝日岳から日本海が素晴らしかったそうだ。

小桜ヶ原から赤男山への取り付きへ歩を進める。燕岩から道を外れてガレ場をヨジ登り最後は薮を潜り山頂へ。山頂からは頚城の山々が素晴らしかった。燕岩へは草付きを滑べるように降り、雪倉へ登り始める。雪倉岳から携帯(J-Phone)が繋がり、北を望むと朝日岳が丸かった。

鉢ヶ岳へは富樫さんだけが登頂する。取り付きで別れて、富樫さんは鉢ヶ岳頂上へ、私と安田さんは鉱山道分岐を目指す。鉱山道分岐から少し下がったところで水の流れがあったので、富樫さんを待つことにする。西陽があたって暖かいが、日がかげると急に冷え込む。

富樫さんと合流して鉱山道を下る。今年これを下るのは3度目だが、何度下っても長い道だ。うす暗くなる頃、瀬戸川渡渉点に到着、何とか明るいうちに渡渉できた。水は冷たく、水量も予想以上、来年はここを遡行したいと思う。

渡渉後、へっ電を灯し暗い道を蓮華温泉へ急ぐ。とっぷりと陽が暮れてしまった19時頃、蓮華温泉駐車場着、充実した山行は終りました。


富山労山の山行報告小インデックスへ。
富山労山のホームページへ。