大正時代、池の平・大窓・小窓・池ノ谷一帯には鉱山があり、池の平小屋は当時の鉱山事務所だったそうで、そのとれた鉱石は麓の馬場島までかついで運び出したそうです。今回はその道をたどるコースでもありました。
車が入れるのは取水口(976m)までで、取水口の駐車場に車を止めます。取水口からは赤谷支尾根を乗越して白萩川のゴルジュ(タカノスワリ)を高巻くルートと、白萩川を遡るルートの2つに別れます。今回は渓流の装備なので取水口から白萩川を遡りました。
しばらく川原を歩き、その後渡渉を数度繰り返すと出発から25分。あっけなく池ノ谷出会い(1,050m)に到着しました。池ノ谷入り口から池ノ谷ゴルジュを少し見学してからさらに白萩川を遡ると、白萩川左岸に小窓尾根取付きの目印となる赤茶けた大岩(約1,120m)があります。小窓尾根への取付きは大岩から気持ち下流で、そこには目印の小さな赤い旗が立っていました。
さらに進むと今回最も大きな滝(4m程度)に遭遇します。しかし高巻いてこれをクリア。どんどん進むと大窓・小窓からの谷の出合(三ノ又)手前500m(約1,420m)ぐらいで雪渓にぶつかりました。雪渓を少し進みましたがアイゼン・ピッケルを持ってきていなかったのでこれ以上進むのを断念。少し下流に下り食事をとりました。後日本を読むと、「例年1,400mあたりから雪渓となり、雪渓の崩壊に注意。三ノ又から小窓への谷(西仙人谷)に入り200mほどしたところで通行不能の大滝が出てくる年が多い。その場合一旦谷の出会い辺りまで戻り、たんねんに探すと右岸に滝上へ通じる道がある。」とのことでした。
大窓への谷を双眼鏡で眺めたところ谷出合からしばらくは落石の巣状態で、無雪期は危険な印象でした。(ここから小窓へ続く西仙人谷は小窓尾根の向こう側となり見えません)
その後白萩川を下ります。高度1,200m付近、白萩川右岸で雷岩屋を見つけました。雷岩屋はもともと大正時代鉱石をかついで馬場島まで下った作業員のためのものだったのではと思います。川原には雷岩屋へのペイントがあり、川原から30m程薮道の入ったところにありました。中には5・6人ぐらい入れる広さです。
11時10分池ノ谷出会いに戻ってきましたが予定していたより時間があったので池ノ谷ゴルジュに少し入ってみることにしました。ゴルジュ内を進むと両側から切り立った壁がせまり、昼なのに谷底には陽が当たらず独特の雰囲気です。谷に入って15分。帰りのことを考えて終了点としました。その後順調に下り11時50分駐車場に到着。
今回自分にとって初めての渓流でした。水の中には意外と良い足場が多く、これまで水には絶対浸からないとするスタイルからするととても新鮮な体験で、四苦八苦する個所ももスイスイとクリアするのは実に爽快。渓流は真夏でも涼しく、とても気持ちの良い山行きでした。
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