富山平野からも見える、とてつもなく大きな谷「大窓」そこをスキーで滑ってみたいという夢があり、その夢の実現のため冬に入る前に山スキールートの偵察に行きたいと思っていた。10月に入り当会から10月7日中村君、10月13日奥野君が2週続けて大窓の偵察に行っている。2人から状況を聞くと三の又に滝があり、そこから先は行く事ができなかったそうだ。その滝を越せるかどうかわからないが鈴木さんと偵察に行く事にした。
シーズン的に、もう遅いのか車は一台も無かった。渓流シューズに履き替え登山開始する。
ここまで初級的沢登りで、渡渉もほとんどひざ下で特に危険箇所も無い。この辺りから大窓が見えてくる、真ん中に子尾根があり、実に大きな鞍部で大きな谷である。
問題の滝が見えてくる、見た感じ確かに登れそうも無かった。滝の左側に弱点があると聞いていたので、そこを私が登ってみたが地盤が弱く登りづらかった。鈴木さんが滝の真下へ確認しに行った。すると、啄さんが「登れる、直登できる」と叫んだ。私も滝の下へ行きよく見ると、確かに滝の右側に足場があり登れると思った。
滝の上からは、ぐずぐずのガレ場で歩くたびに落石が起こった。1800M付近で落ち着いた場所があり、又水場もあったので休憩した。携帯電話もつながった。ここまで来ると稜線まで登りたいという欲がでてきて、空身で登ることにした。
稜線が見えてきたが、あと1時間ぐらいかかりそうで、また下るのにさらに1時間、計2時間ぐらいかかると予想されたので、時間的に厳しいため今日はここでタイムアップにした。
下ってくる斜度は、今年の春滑った毛勝のボウサマ谷ぐらいに感じられた。一歩一歩下るたびに、落石が起こるため2人の間隔をある程度あけて下ったが、それでも何度か落石に当たってしまった。ここは、登りよりも下りの方が辛かった。
滝の上部にある岩にスリングを回し支点を作りザイルを通して、懸垂下降で下った。
もうかなり暗くなってしまった。やはり2000Mでタイムアップして正解であった。
大窓の稜線までは、登れなかったが当初の目的であった山スキーのルート確認・滝越えができたので達成感があった。春には山スキーで、ぜひ滑ってみたいが、秋にはテントをかついて稜線でテントを張り富山平野の夜景を見て、翌日赤谷山を通りブナクラ谷へ下ってみたいと思った。
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