7月1日に有峰林道の開通に伴い、今回東笠山登山の計画が持ち上がった。小口川線が通行止めのため、有峰線側より登山口となる祐延湖へ迂回することとなった。車は祐延ダムの約1km手前の駐車場で通行止めとなっており、そこから歩くことになる。
ダムを渡り、右手へ200m程下ったところより沢筋に取り付く。沢の周辺にはゼンマイやウド、ミズバショウなどが生えており、残雪も、ちらほらとあった。標高差が300mぐらいしかないため、1 時間半も歩くと勾配もゆるくなり沢歩きは、ヤブコギへと一変する。しばらく進むと、突然、草原に飛び出した。山頂周辺は高層湿原となっており、ニッコウキスゲやチングルマ、池糖にはモウセンゴケなどが咲いており、こんな手付かずの原始的な場所がまだあったのかと、心を奪われた。(ちょっとオーバーかな?)
お昼前に到着したため、西笠まで足を伸ばそうとしたが、ヤブコギがひどそうだったので、すぐに山頂に引き返し、昼食を取る。登山道のない山となっているので、うちのグループだけかと思っていたら、あとから3グループぐらい登って来た。なんでも地元の山岳会の方らしい。昼食を取りながら、その方々と話をしていると、旧有峰街道の話題になり、帰りは、その道を通って、祐延湖の方へ下ることに…。
湿原の途中に溝らしきものがあるが、これが旧街道の名残であろうか。途中まで西笠山へ行くようにして、その溝と赤布をたよりにヤブコギをする。しばらく歩くと、左の方に溝は沢となって下っているように思える。沢の途中には、歩きやすいように板が階段状に取り付けてあった。多分この道が旧有峰街道なのだろう。
両側から低木が旧街道を覆うように生えており、「となりのトトロ」に出てくる、裏庭とトトロのすみかをつなぐ、木のトンネルのようになっている。このままこの道を行くと、有峰村にタイムスリップしそうな雰囲気であった。しかしそんなことはなく、途中から沢に入り、地形図どおり祐延湖畔に出てきた。
湖畔にはニッコウキスゲのほかに、アヤメが到る所に咲いており、湖とともに、心を落ち着かせる風景であった。そんな景色を眺めながら湖岸を歩いて、スタート地点である祐延ダムまで戻った。歴史的に価値ある山行だった。
富山労山のインデックスへ。
富山労山のホームページへ。