山行報告   大日岳

大日岳頂上
山域・山名
大日岳(小又川〜コット谷早乙女岳大日岳
山行目的
登頂
山行期日
2001年4月29日
山行メンバ
奥野(L、記)、山岸
記録
小又川車デポ(二つ目の堰堤)5:45 → コット谷出合 7:00 → 9:00 大熊のコル 9:10 → 11:00 早乙女岳 11:45 → 13:45 頂上 14:00 → 早乙女岳 14:30 → 大熊のコル 15:10 → コット谷出合 15:45 → 車デポ地点 17:00

去年は早乙女岳で挫折したので、今年は是非大日まで登りたいと思い、同行の山岸君の車で小又川出合を目指す。天気はまずまず、多少風はあるものの上々のコンディションである。

小又川出合の工事現場から、河原の中の工事用道路を遡行する。コット谷出合への林道を右に分け、二つ目の堰堤を越え、中洲に車を停める。通常の乗用車ならば、堰堤の手前の駐車スペースまで。

まず、左岩にコースをとり、最初の堰堤(下流から数えると三つ目)を左岩から乗り越える。これは簡単に乗り越えられ、しばらくすると中洲へ渡る。四つ目の堰堤はその直前で飛び石伝いに左岩に渡り、残置ロープを頼りに乗り越える。乗り越えると、左岩(進行方向右側)が崩れており、その上にデブリの雪が不安定に乗っかっていて、更にその上流はがけ崩れで流れが岸に迫っている。何とか飛び石地点を見付けて中洲に飛び移るが、もうちょいでズブ濡れになるところだった。五つ目の堰呈の直前でこれ又左岩に移り、この堰堤は簡単に越えることが出来た。五つ目の堰堤を過ぎると、雪がべったりついて、谷が明るくなり、じきにコット谷出合である。

河原を遡行するコースは、概ね左岩どおしとなるが、中洲への飛び石は十分注意しなければならない。飛び石が無理なら、靴を脱いで潔く水に入ったほうが安全だと思った。水流の上のスノーブリッジを渡っている最中に、ブリッジごと水流に落ちる、と言うのだけは避けなければならないと思う。

コット谷から振り返ると…
出合からは広い谷をひたすら大熊のコルまで詰める。谷の中央部は、広く明るく、振り返るとやがて剣岳が姿を表す。スキーにもってこいの谷で、初心者にも安全に滑べることができそうな感じだ。ただ、コルには崩れかけた雪庇が残っていて、緊張させられた。稜線へはコルよりも少し早乙女側の雪庇の切れ目を登った。稜線に出て少し登ったところで一息入れる。剣岳がその雄姿をあらわにし、なかなか良いところである。

 

早乙女岳付近の巨大な雪庇
早乙女岳への登りは、広い顕著な尾根をただひたすら頑張るのみ。左に剣岳、右に鍬崎山、振り返ると大熊山、あるいは毛勝山、猫又山から続く東芦見尾根の山々、、、。コルから2時間余りで広々とした早乙女岳の頂上に到着。大日岳は頭上高く、道は未だ遠そうである。周囲の絶景をおかずにラーメンタイムとする。早乙女岳の頂上付近は広く、大熊のコルからの稜線以外にも尾根が続いていて、見通しが効かないときは要注意箇所である。一応赤布が二つ程シラビソ枝に縛ってあった。
 
大日岳頂上で雷鳥の歓迎を受ける
食事をして気合いを入れ直して大日を目指して出発する。大きな雪庇が崩れかけて残っていて、思わず稜線の右側による。大日の頂上直下は、所々雪が切れていて、ハイマツを踏む場面もあった。13時45分、山岸君に遅れること約10分で頂上に到着した。剣岳、雄山、薬師の山々、雷鳥の歓迎を受け一休み。

ひとしきり写真を撮り、14時ちょうど下山開始。目の前が暗くなるような苦しさで登った最後の登りも、下ってみればあっと言う間で、14時30分早乙女岳到着、15時10分大熊のコル到着、15時45分コット谷出合到着。あっけないくらいである。が、しかし、今回のハイライトはここからだった。朝、ギリギリで飛び石伝いに渡った箇所が、水量が増えていてとても渡れない。靴を脱いで水に入ろうにも、流れが急で、もし流されたらそのまま堰堤から転落しそうである。30分以上も渡渉地点を探して右往左往してしまった。一箇所、がけ崩れとともに倒木が流れに架かって、一本橋のようになっているところがあり、意を決してまず山岸君が、続いて私が一本橋を渡った。ここを越せば後は楽に車まで河原歩きである。結局車到着は17時。

今後の課題として、「渡渉の可能性があるときの準備」があります。渡渉時の安全確保の手段があれば、山行の最後で右往左往せずに帰ることが出来たのに、かなり危険な思いをして倒木を利用した一本橋を渡ったことは、反省点だと思う。あと、堰堤の乗り越しをクリアできれば、スキーに持ってこいのコースなので、是非来年は(雪の状態が良ければ)スキーで挑戦したいコースです。


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