去年は早乙女岳で挫折したので、今年は是非大日まで登りたいと思い、同行の山岸君の車で小又川出合を目指す。天気はまずまず、多少風はあるものの上々のコンディションである。
小又川出合の工事現場から、河原の中の工事用道路を遡行する。コット谷出合への林道を右に分け、二つ目の堰堤を越え、中洲に車を停める。通常の乗用車ならば、堰堤の手前の駐車スペースまで。
まず、左岩にコースをとり、最初の堰堤(下流から数えると三つ目)を左岩から乗り越える。これは簡単に乗り越えられ、しばらくすると中洲へ渡る。四つ目の堰堤はその直前で飛び石伝いに左岩に渡り、残置ロープを頼りに乗り越える。乗り越えると、左岩(進行方向右側)が崩れており、その上にデブリの雪が不安定に乗っかっていて、更にその上流はがけ崩れで流れが岸に迫っている。何とか飛び石地点を見付けて中洲に飛び移るが、もうちょいでズブ濡れになるところだった。五つ目の堰呈の直前でこれ又左岩に移り、この堰堤は簡単に越えることが出来た。五つ目の堰堤を過ぎると、雪がべったりついて、谷が明るくなり、じきにコット谷出合である。
河原を遡行するコースは、概ね左岩どおしとなるが、中洲への飛び石は十分注意しなければならない。飛び石が無理なら、靴を脱いで潔く水に入ったほうが安全だと思った。水流の上のスノーブリッジを渡っている最中に、ブリッジごと水流に落ちる、と言うのだけは避けなければならないと思う。
ひとしきり写真を撮り、14時ちょうど下山開始。目の前が暗くなるような苦しさで登った最後の登りも、下ってみればあっと言う間で、14時30分早乙女岳到着、15時10分大熊のコル到着、15時45分コット谷出合到着。あっけないくらいである。が、しかし、今回のハイライトはここからだった。朝、ギリギリで飛び石伝いに渡った箇所が、水量が増えていてとても渡れない。靴を脱いで水に入ろうにも、流れが急で、もし流されたらそのまま堰堤から転落しそうである。30分以上も渡渉地点を探して右往左往してしまった。一箇所、がけ崩れとともに倒木が流れに架かって、一本橋のようになっているところがあり、意を決してまず山岸君が、続いて私が一本橋を渡った。ここを越せば後は楽に車まで河原歩きである。結局車到着は17時。
今後の課題として、「渡渉の可能性があるときの準備」があります。渡渉時の安全確保の手段があれば、山行の最後で右往左往せずに帰ることが出来たのに、かなり危険な思いをして倒木を利用した一本橋を渡ったことは、反省点だと思う。あと、堰堤の乗り越しをクリアできれば、スキーに持ってこいのコースなので、是非来年は(雪の状態が良ければ)スキーで挑戦したいコースです。
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