旧呼び名「日電歩道」日本の電力会社が活気ある時代に作られた道。古き良き時代の熱い思いを感じながら、黒部ダムまでの道のりを歩く。
観光客の多い欅平駅から送電鉄塔へ向かうようにすると、人はいなくなる。いきなり急坂を登る訳だが、当日最初で最後の坂だった。登りきる前に、鉄塔の下で休憩。目の前には、小黒部谷が見える。休憩後15分ぐらい登ると水平道の始まり。左側は高度感がある。ザックを岩にこすらないように歩く。集中力を欠けると欅谷・志合谷方面への転落が考えられるので慎重に歩行するべきだと思った。所々広くなっている場所があるので、休憩場所は考えて行なうべき。
志合谷ではトンネル内の歩行があり、ヘッドランプが必要。しばらくすると、奥鐘山西壁が大迫力で見える。オリオ谷でも砂防堰堤内を歩くが、ランプは必要なし。オリオ谷から少し行くとりっぱな滝に着く。休憩ポイントには良かった。1時間程歩くと、阿曽原小屋が目に入る。冬季間は解体してテン場にある洞くつに片付けると聞いていたが、当日は解体前だったのでビールの購入ができた。(10月末で営業は終了していた)
お酒を片手に7人の侍?…(笑) 風呂に入る。紅葉・風呂・お酒言う事なし!!極上の贅沢!!入浴後の夕食は自分が担当したが、美味くできたと思う。2日目に下痢になる人なし?喜ばしい事である。夕食後、再び風呂に入る。今度は数えきれないほどの星空の下、山話は終わらない。就寝した時間は、覚えていない。
11月4日 S字峡 | 11月4日 水平道 | 11月4日 水平道 |
11月4日 十字峡 | 11月4日 スノーブリッジの横で |
2日目、長い山行の為 午前5時30分に出発。阿曽原から30分程登ると水平道になる。このころから、明るくなりランプは要らなくなる。急坂を下ると関西電力の人見寮・仙人ダムに着く。ダムの通路には登山者への案内板がある。案内板の通り行くと、ダム堤体の上を歩き川の右岸に渡るが、黒部第四発電所入口手前で吊橋を渡り再び左岸に移る。多少の登りが終わるとS字峡の始まり。1日目同様高度感が有る。休憩に使用した場所は、半月峡の岩小屋。岸壁を掘り出した穴である。
次に目指すは、十字峡。十字峡は剱沢と棒小屋沢と黒部川がぶつかる川の十字路。剱沢の奥には、幻の剱大滝があるのだが、十字峡から剱大滝方面には歩行困難。見学に行かない方が無難であろう。十字峡を後にすると広河原と言う安全に歩ける場所に着く。ここで、サル一匹と遭遇。彼にシカトされた頃から黒部ダム方面の方々と会うようになる。
11月4日 白竜峡 | 11月4日 白竜峡で対向者とすれ違い |
いよいよこの旅最高の核心部の白竜峡に到着。対向者とのすれ違いも、互いの協力のもと歩行できる。所々スノーブリッジが姿を表す。紅葉した木々 残雪の雪 黒部川の清流は実に不思議な光景に思えた。やがて大きな黒部別山谷を渡り新越沢が見える場所で昼食を行なうが、この前に雪渓を避ける為の高巻用ハシゴを登ったり、丸太の上を渡ったり体力の消耗が激しくなる。今度の休憩ポイントを内蔵助谷と勝手に決め、川原の近くをひたすら歩く。内蔵助谷で黒部ダム到着時間を15時頃と予想する。やがて、小さな登り下りを繰り返し約40分後黒部ダムの一部が目に入った時は歓喜である。ダム直下の橋で休憩。ダムの真下から堤体の上を歩く観光客を見上げる事を数少ない経験だろう。
最後のダムへの登りは疲れた体には少し厳しく思える。何度かジクザグに登るとハシゴが出てくる。登り詰めると車道にたどり着く。車道をさらに登ると、バスの通る車道入口が有る。中に入ると観光客であふれていた。大きなザックは我々だけだったのは少し寂しかったが、観光客の前では「欅平駅から歩いてきた」と言う自己満足した顔で待合室にてビールを飲み、バス待ちの時間をつぶした。
11月4日 白竜峡を過ぎて | 11月4日 黒部第四ダム |
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