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源次郎尾根は、剣岳本峰へ突き上げる岩尾根で途中に2つの顕著なピーク(I峰2709m・II峰2770m)がある。源次郎は、以前から行きたかったルートで当初は2泊3日のテント泊で行く予定であったが休みが取れず、1泊2日の小屋泊まりで行く事になった。
6:40 立山駅出発。
お盆前の土日だが観光客・登山客はかなり多く20分待たされる。
7:40 2400M 室堂。
ほんの一時間ほどなのに下界の陽気とはうって変わり雪渓が残っていてとても涼しい。ザックの重さを量ると14kであった。
9:10 2300M 雷鳥沢。
朝まだ早い為か、テントはまばらだ。
10:50 2750M 剣御前小屋。
はるか遠くに富山湾・能登半島を見下ろし、反対側は剣岳・明日登る源次郎がはっきり見える。実に爽快な景色である。小屋の前で焼きうどん・焼きそばを売っていたが、私は持ってきたカップラーメンを食べる事にした。
12:30 2500M 剣山荘。
宿泊の手続きをして部屋に案内される、まだ早い為か宿泊者は少なく1人だけで部屋で寝ていた。私も横になっていたらいつのまにか寝てしまった。下界では30度を越す暑さで、寝苦しい日が続いたがここは涼しくて気持ちよく眠れた。眼がさめたのが2時過ぎで、周りを見ると私と鈴木さん含めて5人が寝ていた。源次郎の取り付き確認に行く予定にしていたが3時から風呂に入ることにした。風呂は、一人約3分で交代しながら入るためのんびりとは入れないが、それでも山小屋での風呂は、汗が流せて疲れも取れるため非常にありがたい。風呂から上がり部屋で落ち着いた後、小屋の主人に源次郎の取り付きと、コースの状況を聞くことにした。主人の息子さんの説明によると、源次郎は尾根コースとルンゼコースがあるが、ルンゼコースは先行者がいると落石の危険性があるという事で、尾根コースを勧められた。5時過ぎに夕食を食べ、翌日の朝食用の弁当を作ってもらい8時過ぎに就寝。
4:10 剣山荘出発。
暗闇の中ヘッドランプを付けて剣沢雪渓へ下る。別山尾根方面は長いヘッドランプの列になっていた。剣沢雪渓を平蔵谷出合まで下るが、早朝はカチカチに凍っていて軽アイゼンを付けた。
5:20 2100M 源次郎尾根取付。
尾根の末端に一筋の踏み跡が見えてきた。前日勧められた尾根コースの取付は比較的わかりやすかった。最初は草付の急斜面を登り、その後やぶの中に入っていくが、途中いくつも踏み跡があり何回か迷ってしまった。視界が開け右ヘトラバースするとルンゼコースに出た。男性30代?・女性20代?のカップルに会う。昨日、東京から5〜6時間かけて来て真砂沢でテントを張り、明日は八峰に登るそうだ。男性は源次郎には何回も来ているそうで、コースの概要を聞きしばらく一緒に登る事にした。岩壁が現れ、まづ最初に男性、次に女性そして私、鈴木さんと続いて登った。途中、私の前を登っていた女性が止まって動けなくなってしまったので、男性がザイルの準備をしだした。私は、その女性の左側を、鈴木さんは右側を登っていった。私は登りきったが鈴木さんも途中動けなくなってしまい、ザイルを出そうとしていたら男性がザイルを鈴木さんの方へ出してくれた。その後、私達はルンゼのガレ場を登るが歩くたびに落石がおきてしまう。稜線が近づき左へトラバースした瞬間、落石のなだれを起こしてしまい下に居た鈴木さんに当たってしまった。小屋の主人の息子さんが言っていた通りである。
7:15 2400M 稜線。
剣沢方面の山・谷が見えて美しい。登山の醍醐味だ。
8:20 2709M I峰。
八ツ峰・長次郎谷の雪渓が間近に見える、またII峰も目の前に見える。II峰への登り返し(40m下り100m登る)がきつそうであったが、実際登ると見た目より楽であった。
9:06 2770M II峰。
懸垂下降点には男女のパーティーの次が私達で、それほど待たなくても良かった。懸垂距離は約30mで40mザイル2本使用したが、下から5〜6m位の所にあるテラスにも支点があった。
11:05〜30 2998M 剣岳。
懸垂終了の鞍部からは、浮石の多い岩稜を稜線通しに登る。頂上直下の急斜面はジグザグに踏み跡があり、登っていくと剣岳山頂の祠の前に着く。山頂は、源次郎からの4パーティーだけであった。昼食を食べていると霧雨になり早めに別山尾根を下山する。カニの横ばいでは、岩と鎖が濡れて滑りやすく非常に恐かった。ここが今回の一番の核心部であった。
13:15 剣山荘。
休憩をして出発しようとしたら雨が降り出した。
15:15 剣御前小屋。
17:05 室堂。
源次郎へは、私たちを含めて4パーティーが登っていたが、みんな2泊以上でのんびりと山を楽しんでいくそうでうらやましかった。できれば今度は、私も2泊以上でのんびりと来たいものだ。
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