山行報告   剱岳八ツ峰

山域
剱岳八ツ峰
目的
登攀
期間
平成13年8月14日〜8月16日
参加者
平井茂雄(L) 酒井夕子(記)
コースタイム
8/14
立山駅6:20−室堂8:00−御前小屋10:20−剣沢11:20
8/15
剣沢5:10−長次郎谷6:05−五・六のコル7:50−池ノ谷乗越13:10−本峰14:25−剣沢17:05
8/16
剣沢5:30−一服剣6:30−前剣7:40−本峰9:20−早月小屋12:00−馬場島15:40

写真集はここ

初日 剣沢まで

大島隊長と我が家の近所で待ち合わせ。初めてのテント装備をかつぎ歩いていくと、隊長から信じられない言葉「腰痛めて行けんわ〜」かなりのダメージを受けこの山行はいったいどうなるんだろうと一抹の不安がよぎる。心の底から悔しがる隊長と不安がる私は平井さんとの待ち合わせ場所、馬場島へと向かう。ここでもまた私以上に驚き、そしてガイドさんとなってしまった平井さん。本当に本当にお世話になりました。

さて、立山駅へと隊長に送ってもらい、八ツ峰登攀と、ピークごとに携帯に電話を入れることを約束し、晴天の中室堂へ。ザックは20キロ…1歩1歩雷鳥坂を登り、これがテント山行かとかみしめる。剣沢へは午前中に着いてしまい、前日緊張の余り2時間しか眠れなかった私には、3時のおやつに昼寝付きという贅沢な初日だった。

2日目 五・六のコルより八ツ峰上半部縦走

薄明かりの中、お月様と星がとてもきれい。朝食を済ませ剣沢を出発、しばらく行くと剣沢雪渓に出る。カチカチの雪渓、所々氷になっているところもあるが昨日贅沢したぶん快調である。途中源次郎尾根への取りつきも確認し、長次郎谷出会いから約2時間雪渓を登り、五.・六のコルへ取りつく。さあ〜ここからが本日のメイン。まず、本当に本当に岩登りであることを実感し、とにかく真剣、必死だった。それに引きかえ平井さんは余裕の様子ですっかり専属カメラマン、なんて人だろ〜。また、ここでは岩を登っている人達の真剣な声が響き渡り別世界にきてしまった感覚を覚えた。

六峰への登りは難しいところもなくピークに立つことができた。七峰への初めての懸垂下降がなんとも言えないくらいに緊張。でも実際に降りてみると映画に出てくるヒーローにでもなった気分になってきた。今日はかなり調子がいいぞ!ところがここから道を間違えてしまう。チンネへの巻道を行き、チンネ左稜線の最終地点へと登って来てしまった。1時間半のロスはあったが本日の目的は八ツ峰縦走である、もと来た道を戻り七峰へ取りつく。ここもなんてことはない、あっという間にピークに立ち2度目の懸垂下降に楽しみさへ感じることができた。

八峰の登りは緊張した。全身を使い懸命に登ったような気がする、必死だったのであんまり覚えていないが大変だった気がする。池ノ谷乗越も見えこれで最後の懸垂か・…と思いきや八ツ峰ノ頭も登ることに。ここではビレーして登りピークでは先ほど登ったチンネの終了地点がすぐ右手に見えた。これで本当に最後の懸垂下降をし八ツ峰縦走を成し遂げることができた。あとは、北方稜線から本峰、剣沢へと帰路につく。本峰では雨に降られたが気分は上々、約束通り隊長に電話を入れる。とても喜んでくれ、そして私の声がトーンダウン、つまりばてていることを悟られてしまった。

さてさて、剣沢ではおいしいビールを飲み、明日の帰途は室堂からか、それとも早月尾根からか課題を残し、平井さんの話を子守唄にすぐに寝てしまった。

3日目 別山尾根から本峰、早月尾根を下山

今日もやはり快晴。足はまだ痛いが「早月尾根から帰りたい」という私の一声で過酷な1日が始まってしまった。テントを片付け私のザックは食料が減ったぶん幾分軽くなったが、平井さんのはどうみても増えている。2日間お世話になった剣沢を後にし、本峰へ。昨年登ったときにはなんてことなかったのに、ザックが重いだけで緊張した岩場に数多く出くわした。楽しかったカニのたてばいも、しんどいったらこの上ない。本峰へは4時間もかかってしまった。ここでまたしても約束の電話。昨日よりもさらにトーンダウンしていることをすぐに見抜かれてしまう。さすが隊長・…。

本峰では昨日と違い、360度のパノラマ、素晴らしすぎる。あ〜登って良かった。さて、いよいよ長い下りが始まる。初めて早月尾根を歩く私は、直下の鎖場に緊張しっぱなし。とにかく一生懸命歩いて下った。早月小屋ではおじさんからゼリーをもらい、馬場島では、最後の急坂から看板を見つけたときに涙ぐんでしまった。

最後に

本当に本当に楽しい、そして充実した山行でした。これは、富山平野から応援してくれた隊長と、すっかり専属ガイド&カメラマンとなってくれた平井さんのおかげです。本当にお世話になりました。また一緒に山行きましょうね


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